こんにちは、丸重屋ドローンコンサルタントグループです。
今回は車移動に高速道路が切って外せないように、
ドローンにも空の高速道路がある、というニュースを紹介しようと思います。
イギリスで世界最長のドローンハイウェイを建設することが発表されました。
https://www.geospatialworld.net/prime/technology-and-innovation/uk-to-build-worlds-longest-drone-highway/?mkt_tok=NzU2LUZXSi0wNjEAAAGFwOUcUXEBYXNgJbTroLvrhujFo86V3kKhfzp9BedwubCb-3lWgecvjlC_89qLud4RaMzrfkwP4tfEWGtiq9l5BnMGDR47OEbMSEfdmnIHLmW3aA
このドローンハイウェイは全長265kmにも渡る規模になるそうです。
全長265kmというのは東京から北名古屋まで一直線で結んだときの距離とほぼ同一です。
(同じ島国という社会環境で、先んじて行うことに嫉妬すら感じます)
ただ、ドローンハイウェイ構想が現実化しましたが現実として課題は山積みだそうです。
例えば、
航空交通規則も厳密に設定し遵守する必要がありますし、
従来の高速道路と同様に通行料を聴取し、ドローンハイウェイを運用していく必要があります。
(ドローンハイウェイを飛行するのに莫大な手間や作業が発生するのであれば、持続することは難しいと思います)
その他、充電や墜落、荒天時などなど考えればいくらでも課題は出てきます。
ただ、夢のようなドローンハイウェイ構想が現実化し、建設が発表されたことに今は喜ぶべきだと思います。
話を日本国内に移します。
日本では先日、国土交通省より「河川上空ドローン物流実証実験」の公募が始まりました。
報道発表資料:河川上空を活用したドローン物流の更なる活性化に向けて<br>~実証実験の参加者を募集します!~ - 国土交通省 (mlit.go.jp)
河川上空は飛行する際にリスクが少なく、物流などの方面で活用が期待されています。
丸重屋ドローンコンサルタントグループではドローンでの橋梁点検実施の経験があり、
実際に現場を経験した側の意見としては、河川上空利用においても社会実装するまでに様々な課題があるとも感じています。
例えば、
橋梁点検の場合では橋梁付近を飛行する際に、
橋梁の上を飛ばすべきか、下を飛ばすべきかという議論があります。
橋梁点検をドローンで実施する場合は
ドローンであったとしても、橋面(道路)より高い位置で飛行させないようにフライトする必要があります。
様々な理由がありますが、一番の理由としては車の運転者が驚き事故を招く可能性が高いことです。
誰だって想定していない場所から、想定しないものが出てくると驚いてしまいます。
橋面より下を飛行することで、運転者の意識に入らないため無用な事故のリスクを軽減できます。
橋面(道路)より高い場所を飛行するとどうでしょうか。
高い位置といっても地面より10m程度ではなく、30m以上の高さになると思います。
30mというと視界にも入らない位置を飛行するため安全に思えますが、ドローンには常に落下のリスクがあります。
もし高い位置より落下した場合、低い位置で飛行するに比べ被害が甚大になります。
飛行している高さが50mや100mの高所であった場合には、 一般道路のような常に人や車が往来しているような場所ではない河川の上空で飛行していたとしても、 強風や突風が吹いた場合には、河川から大きく外れて人や建物のある範囲に墜落する可能性があります。 低高度、高高度も同様に ドローンを屋外で活用していくことにはどうしてもメリット・デメリットがあるのが現状です。 ただ、このようにデメリットばかりに目を向けていても何も始まりません。 「河川上空ドローン物流実証実験」を通じて、 様々な自治体や河川管理者、民間業者が意見を出し合い、 より現実的にリスクの少ない方法を策定していただけると思います。 イギリスのドローンハイウェイから発生するメリットや問題が、 日本国内のドローン活用に筋道を示してくれることを期待しています。